植物療法士のKanakoです。
今回からは、高齢妊活のセルフケアについて、です。晩婚化や女性の社会進出などによって、妊活を始める年齢が高くなっている傾向が続いています。40代の妊活・不妊治療も珍しくはありません。私自身も40代での不妊治療を経験しましたが、年齢を重ねると妊娠は難しくなってくる、という実感をしました。厳しいようですが、これが現実。ですが、生活習慣の見直しとセルフケアを続けて、体を整えていくことで妊娠力は高められる!という実感もありました。
高齢妊活の課題とは何でしょうか?年齢を重ねると、卵子の数と質が課題になると言われています。今回のコラムでは、卵子の数についての解説と対策法をご紹介したいと思います。卵子は胎児のときにお母さんの子宮の中で一生分がつくられるため、思春期以降、年齢と共に卵子の数は減少していきます。
皆さんはご自分のAMH値をご存知でしょうか?不妊治療をしている方は検査をしたことがあると思います。これは卵巣年齢を知る指標になるもので、AMHの値が高いと残存卵子の数が多く、値が低いと残存卵子の数が少ないことを意味します。AMH値は一般的には、年齢を重ねると低くなると言われていますが、体質などの個人差もあるため、年齢が若くても低いこともあります。AMH値は血液検査で調べることができます。妊活や不妊治療の方向性を検討する際の参考にもなるので、年齢に関係なく早い段階での検査をおすすめします。
年齢を重ねると残存卵子の数は減ってきますが、AMH値の下がり方には個人差が大きく、生活習慣が関係していると言われています!生活習慣とセルフケアで卵子の減少をゆるやかにすることは可能なのです^^
では、卵子の減少をゆるやかにするためのポイントについて、その内容に入っていきましょう♪セルフケアのカギは生活習慣です!高齢妊活では、日々の積み重ねが大切になってきます。妊娠力を高める生活習慣については、これまでのコラムでご紹介していますので、そちらもご参照くださいませ☆今回もどうぞお付き合いいただけますと幸いです^^
もくじ
卵子の減少をゆるやかにする、生活習慣とは?
基本となるのは、バランスの良い食事と適度な運動、良質な睡眠です。しつこいようですが(^-^;卵子は細胞です。高齢妊活のセルフケアのポイントは、美容や健康のためのエイジングケアと同じように、細胞を元気にすることです!では、それぞれの生活習慣における、卵子の数を意識したセルフケアについて、その内容に入っていきましょう。
食事は、副腎によいものを摂り入れましょう!
卵子の数に関する研究結果で、DHEAのサプリメントを服用すると不妊治療の成績が上がるという報告があります。DHEAは、副腎から分泌される若返りホルモンと呼ばれるものです。卵子の数を意識した食事とは、タンパク質と良質な油(亜麻仁油やエゴマ油など)を摂って、副腎に良い食べ物を積極的に摂り入れましょう。ストレスなどによる副腎疲労は、ビタミンBが不足しやすいと言われています。卵や豚肉、玄米や海藻類などを日々の食事の中でバランスよく摂り入れてみましょう。
運動は、下半身を中心に動かしましょう!
卵子の減少をゆるやかにするには、下半身に少し負荷のかかる運動がよいと言われています。体を動かすことで、全身の巡りが良くなり、卵巣や子宮の血流も促進されます。自宅でのスクワットやジムで下半身に負荷をかけられるマシーンでのトレーニングもおすすめです。座っている時間が長いと下半身の血流が滞りやすくなるため、階段を使うなど日常生活の中で動く時間を増やす意識を持ちましょう。
睡眠は、質を意識しましょう!
質のよい睡眠は、受精卵が良好な胚になりやすいことが研究結果からもわかっています。睡眠ホルモンのメラトニンがしっかり分泌されるような生活リズムを意識することも大切です。良質な睡眠とは、翌朝目覚めたときにスッキリと起きることができたか、これが目安になります。良質な睡眠を促すための入浴法について、過去のコラムでご紹介しているので、こちらもご覧くださいませ。
このように卵子の減少をゆるやかにするには、生活習慣の見直しがカギになります!一般的に残存卵子の数が少なくなってくると、妊娠が難しくなってくると言われます。私たちの体の仕組みとして、年齢と共に卵子の数は減少していきますが、日々の生活習慣に気をつけることで、卵子の減少をゆるやかにしていきましょう^^
補足ですが、卵子の数と質は別問題なので、AMH値が低い=卵子の質が悪いということではありません。卵子の質に関しては、採卵や受精結果をみてみないとわからないので、卵子の数と質は分けて考える、それぞれに合わせたセルフケアを行うことが妊娠力を高めるポイントになるのですよね!^^
次回は、卵子の質を高めるセルフケアについて、ご紹介したいと思っています。高齢妊活では、卵子の数の減少と共に、卵巣機能の低下などによる卵子の質も課題になってきます。私自身も年齢を重ねる毎に採卵や受精結果が思わしくないことが続き、その辛さを経験しました。採卵をしても受精しないことや良好な胚に育たないケースが増えてくるとなかなか移植に進めないのですよね。
卵子の質は胚の発育にも影響を与えます。自然妊娠を目指す方はもちろんですが、体外・顕微授精においては採卵から移植に進むために、移植から妊娠に至るためには良好な胚が必要です。そのためには、卵子の質が重要です^^ということで、次回のコラムは卵子の質に着目したセルフケアのポイントをお伝えします!最後までお読みいただき、ありがとうございます☆
著者プロフィール
Kanako
植物療法士/AMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト
妊活では、自然妊娠、不妊治療(タイミング法、人工授精、体外・顕微授精)、流産、死産を経験。
心身ともに苦しいときに植物の力に支えられたことをきっかけに植物療法専門学校「ルボアフィトテラピースクールhttps://www.phytoschool.com/」にて、植物療法を学ぶ。これまでの自身の経験をもとに、WOMB LABOにてカウンセラーも務める。
Instagram:@phyto_kanako