妊活とは?方法やタイミング、気をつけること、妊娠しやすい人の特徴を紹介します

最終更新 2021.09.16 by WOMB LABO編集部

今回は「妊活」について、方法やタイミング、気をつけること、妊娠しやすい人の特徴などについて紹介していきます。

妊活とは

妊活とは、妊娠しやすいように体を整え、子供をつくることを目的にした活動のことです。 プレコンセプションケアとも言います。 ルナルナの調査によると、妊活を行っている人・行ったことがある人は56.5%という結果で、過半数を超える人が妊活の経験があることがわかりました。

妊活のタイミングは?いつから始めればいい?

男女ともに健康な状態であれば、妊活は早く始められるほど、妊娠率は高いので、妊活の開始時期は年々早まっている傾向があります。ミキハウスの調査で、妊活を始めた年齢について聞いたところ、2013年は35.7歳だったのに対し、2017年には31.3歳という結果が出ました。 妊娠したい方は、男女ともになるべく早く妊活を始めることが大切です。

妊娠しやすいタイミングを把握する

妊活を始めたら、自分の体のリズムのの確認と排卵日を把握するために、基礎体温測定を始めましょう。基礎体温とは安静時の体温のことで、起床後にそのままじっと動かず測る体温のことです。細かいデータが必要になるので、一般的な体温計ではなく、0.01単位まで表示される基礎体温計(婦人用体温計)を使用しましょう。 毎日できるでけ同じ時間に計測し、計測した体温をグラフ化しましょう。最近では、生理周期や基礎体温を予測・管理できるアプリもあるので、活用してみるのもいいでしょう。 正常な排卵が行われている場合は、基礎体温表は低温期と高温期の二相になります。 基礎体温の周期を観察してみると、低温期から高温期に変化する前に、体温がぐんと下がる時期があります。そこから2~3日の間で排卵が起きるといわれています。 妊娠しやすいタイミングは、排卵日の3日前~排卵日翌日までの5日間といわれているので、その期間に性行為をするのがいいでしょう。

病院に行く

基礎体温測定をする際、二相のグラフに分かれることなく、高温期が短い場合や長い場合、グラフが二相に分かれていない場合、バラバラな場合が起きることがあります。基礎体温を付けていて疑問や不安があるときは、早めに婦人科の医師に相談しましょう。

人工授精

人工授精は、排卵の時期に合わせて、子宮の入口から管を入れて精液を子宮内に直接注入する方法です。精子の数が少ない、自然性行為が難しい等が考えられるカップルおすすめで、通常のタイミング法の次に行われる治療法となります。 自然妊娠の形に近く、短時間で終わるので体への負担も少ないといわれています。

体外受精

体外受精は、卵子と精子を体外に取り出して受精させる方法です。他の治療方法に比べ周期あたりの妊娠率が高いのが特徴で、30~35歳では40~45%の妊娠率だと報告されています。しかし、体外受精は排卵誘発剤を用いるので副作用や体への負担を考慮しなくてはいけません。費用は1回あたり30~100万円ほどといわれています。自治体の補助金制度などもあるので確認してみるといいでしょう。 出典元:一般社団法人日本生殖医学会

妊娠しやすい人の特徴

妊娠しやすい人の特徴として「卵巣・子宮・母体が健康である」ことが挙げられます。 妊娠できる体を維持するために始めたい習慣について紹介します。

適度な運動

2016年にアメリカで行われた研究で、ウォーキングやヨガなどの中程度の運動をすることは、代謝機能やホルモンバランスの乱れを整え、妊娠率を上昇させることが明らかになりました。その一方で、1日1時間以上の激しい運動を行うと、不妊のリスクが6.2倍に増加するという研究も発表されています。 妊活中は、ウォーキングやヨガなどの中程度の運動を1日15~30分目安に行い、ランニングや高速サイクリング、エアロビクスなどの激しい運動は控えるようにしましょう。 出典元:①Craig J. M. M.P.H.,Elizabeth E. Hatch et al.:Body mass index physical activity and fecundability in a North American preconception cohort study.Fertility and Sterility. 2016;106(2):451-459Green BB, Daling JR, Weiss NS, Liff JM, Koepsell T. Exercise as a risk factor for infertility with ovulatory dysfunction. Am J Public Health. 1986;76(12):1432–1436.

良質な睡眠

良質な睡眠は健康の体を維持するには必要不可欠です。なかでも、睡眠ホルモンとして有名な「メラトニン」には、生体リズムの調整機能だけではなく、卵子の質を改善させる効果があるといわれています。 しかし、蛍光灯やスマホ、パソコンなどから発せられるブルーライトなどの青白い波長の強い光の刺激を受けると、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。ですので、就寝する1~2時間前には、強い光を避けて生活するのがいいでしょう。 出典元:Hiroshi Tamura, Manabu Tanabe, Mai Jozaki, Toshiaki Taketani, Norihiro Sugino,Antioxidative action of melatonin and reproduction,2019,6(3)192-197

バランスのいい食事とは?和食がおすすめ

若い女性が陥りやすい不妊の原因としては、ダイエットがあります。多くの若い女性は健康的な体形にもかかわらず、偏った食生活を送ったり、過度な食事制限を繰り返しています。 このようなもっと細くなることを求めるダイエットでは栄養不足になりがちです。栄養不足の状態では、肌や髪はボロボロになるだけではなく、ホルモンバランスも乱れてしまうので排卵機能の低下にもつながってしまいます。 まずはしっかりとバランスのよい食事を心がけましょう。基本的には「和食」がおすすめです。肉や魚などのたんぱく質はもちろん、豆腐屋野菜、海藻類などをバランスよく取り入れることが理想的な食事です。 そして、注意しなくてはいけないのが味付けです。せっかくバランスのいい食事をしていても、濃い味付けで塩分や糖分の取り過ぎになってしまうのはもったいないです。時間があるときは、なるべく出汁を取って料理してみてください。出汁にはうまみ成分であるイノシン酸やグルタミン酸が含まれているので、薄味でも美味しく食べられます。 また、薬味やスパイスなどを加えるのもいいでしょう。体を温める効果があるネギやショウガや料理の風味を増してくれるシナモンなどを工夫して取り入れてみてください。

妊活中に摂取したい食べ物

妊活中に積極的に摂取したい、妊娠しやすい健康な体づくりに役立つ食べ物はこちらです。

・葉酸
妊娠初期に葉酸が不足すると、赤ちゃんの神経系の発達に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。厚生労働省では、妊活中の女性には1日に葉酸400μgを摂取することを推奨しています。

・まいたけ
ビタミンB2や鉄分が豊富に含まれています。さらに、生理不順や多嚢胞性卵巣症候群の改善に期待ができるグリスリンという成分も含まれています。

・ブロッコリー・ブロッコリースプラウト
ポリフェノールが豊富で高い抗酸化作用が期待でき、体内の若々しさのケアにつながります。また、良質な睡眠を促してくれるトリプトファンという成分も含まれています。

・大豆 大豆イソフラボン
女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするので、ホルモンバランスの安定に効果的です。タンパク質も豊富であり、体を作る基本的な栄養素を補うことができます。 出典元:森田敦子(2019)「感じるところ」幻冬舎

妊娠しやすい腟力を付ける

妊娠しやすい体づくりには、2つの「腟力」が重要になってきます。

①腟内を締め付ける「腟力」 まず妊娠しやすい体づくりには、柔らかくて伸縮性に富んだ締まりのいい腟をつくることが大切です。腟力が上がることで、性行為の際にお互いの感度がよくなり、妊娠しやすい状態になります。また、感度がよくなることで「子供を作るため」だけの性行為ではなくなり、お互いに楽しみながら妊活できるきっかけづくりになります。 締まりがいい腟づくりのためには、骨盤底筋トレーニングを行ったり、膣トレグッズを活用するのがおすすめです。
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▷膣トレについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください

②良い粘液を出す「腟力」 粘液力を高めることは、免疫力を向上させるだけではなく、妊娠しやすい体づくりにも役立ちます。 粘液とは、性行為の際に出る透明でトロトロした愛液のことを指します。 粘度の高い粘液がたっぷりと分泌されていることで、受精しやすい状態をつくりあげることができます。 良い粘液の特徴としては、親指と人差し指に付けて広げたときに5センチくらいの糸を引くような、トロンとした粘性があります。また、無色透明でにおいもほとんどありません。 一方、サラサラしすぎている粘液は粘度を高める必要があります。この粘液力を高めるには、先ほど述べた「妊活中に摂取したい食べ物」を積極的に食べる事から始めてみましょう。
出典元:森田敦子(2019)「感じるところ」幻冬舎

妊活中に気を付けること

妊活中は、どのようなことに気を付けるといいのでしょうか。 自身のライフスタイルを見直し、健康で妊娠しやすい体づくりを目指しましょう。

ストレスを溜めない

国内外の研究で、ストレスと不妊には関係があることが明らかになっています。 ストレスホルモンとして知られる「プロラクチン」が、排卵を抑制する働きをするためです。妊活中はストレスをためないように、自分なりのリラックスの仕方を探してみてください。 出典元:公益社団法人福岡県薬剤師会

妊活中食べてはいけないものはある?

妊娠前の場合、特に食べてはいけないものはありません。妊活中は、体の健康を維持することが重要です。スナック菓子の食べ過ぎや糖分や塩分の過多には気を付け、アルコール摂取量も抑えましょう。 妊娠がわかったら摂取してはいけないのが「アルコール」です。厚生労働省によると、妊娠中の母親の飲酒が、胎児・乳児に対して低体重や顔面を中心する奇形・脳障害を引き起こす可能性があるといわれています。また、「カフェイン」も出生児が低体重になるリスクがあるとして、一日当たりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップ2杯程度)に制限することを推奨されてます。 出典元:①厚生労働省e-ヘルスネット厚生労働省

体の冷えに気を付ける

女性は、男性に比べて「冷え性」になりやすいといわれています。冷え性になる原因はさまざまありますが、一因として「血液の循環が滞っていること」があげられます。 血液の循環が滞ってしまうと、子宮や卵巣の働きを低下させてしまい、卵子の質が落ちるほか排卵に悪影響を及ぼします。適度な運動やバランスのいい食事のほか、夏場でも温かい飲み物をなるべく摂取するように心がけましょう。

禁煙

喫煙をすると、男女ともに不妊のリスクが高まります。また、妊娠した時には流産や早産のリスクが上がることも報告されています。妊活を始めるにあたって禁煙しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「妊活」についてまとめてみました。 少子化が進む一方、不妊に悩むカップルも少なくはありません。 まずは基本的なライフスタイルを見直して、ストレスをためないように、楽しみながら妊活ができるといいでしょう。

監修プロフィール

松峯 寿美(まつみね ひさみ)先生

松峯 寿美(まつみね ひさみ)先生

医師・医学博士。日本産婦人科学会専門医。東京・木場にある東峯婦人クリニック理事長。とくに不妊治療、思春期・更年期医療に力を注ぎ、女性専門外来の先駆けとなる。また、日本にまだ数少ない産前産後ケアセンター・東峯サライを開設。
著書に「50歳からの婦人科」や「60歳からのセックスクリニック」等、様々なライフステージの女性たちの体の悩みに関する講演等でご活躍。

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