セックレスとは?解消法や原因、期間、定義などについて紹介していきます

最終更新 2021.09.16 by WOMB LABO編集部

セックスレスの定義とは?期間について

日本性科学会の定義によると、「病気など特別な事情がないのに、カップルの合意した性交あるいはセクシュアルコンタクトが1か月以上なく、その後も長期に亘ることが予想される場合」となっています。セクシュアルコンタクトとは、パートナーとの性的な触れ合いを意味し、キスやハグ、手をつなぐ、頭をなでるなどの行為全般を指します。

セックスレスだけどスキンシップはある?

先ほど述べたように、ハグやキスなど肌と肌の触れ合いによるスキンシップがある場合は、 セックスレスの定義には当てはまりません。 セックスの目的として「挿入し射精をすること」が挙げられますが、パートナーと愛情を持ったスキンシップをとることも広い意味でセックスとみなされています。オーガズムがなくても、相手との間に流れる愛情と心地よさを感じとることが重要です。固定概念にとらわれず、パートナー同士で「私たち」らしい関係を構築していきましょう。

日本人のセックスレス化が進んでいる?

「ジャパンセックスサーベイ2020」の調査によると、婚姻関係にあるカップルのうち51.9%がセックスレスになっているという結果が明らかになりました。 また、1年以上セックスをしていない人に、「いつごろからセックスレスなのか」と聞いたところ、男性は平均8.7年、女性は平均9.6年という結果が出ました。 また、世界的にみても日本はセックスレス化が進んでいます。イギリスの大手コンドームメーカーであるDurex社の調査で、「セックスの頻度」について聞いたところ、日本は41カ国中最下位という結果がでました。さらには、「性生活の満足度」でも中国に次いで下位二位になりました。 出典元:①JEX JAPAN SEX SURVEY 2020 調査結果の概要     ②瀬地山 角,「あなたは大丈夫? 「セックスレス大国」日本」,東洋経済オンライン

セックスレスの結婚生活は大丈夫?

日本では、結婚した女性は性の対象ではなくなる場合も多く、手をつなぐこともなくなるほどに接する機会が減っていく場合が多々あります。 しかし、この現象は海外から見るととても珍しく、特にフランスでは「セックスレス=即お別れ」といわれているほどセックスは重要視されています。フランス人のセックスに対する情熱は、結婚後も変わりません。夫婦になってもセクシュアルな時間を楽しみ、お互いが快感を得るための努力を惜しむことがないのです。 また、正当な理由なしに、夫や妻どちらかがセックスを拒否し続けた場合、ある一定の期間ですぐに慰謝料を請求ができることが法律で定められています。 それほど、セックスは結婚生活に欠かせないものとして位置づけられているのです。 出典元:森田敦子,2017,『潤うからだ』,ワニブックス社

セックスレスの原因は?レス夫婦のあるあるについて

セックスレスの原因には環境や文化だけではなく、パートナー自身によるものまで様々です。ここでは、セックスレスになる原因の一例を紹介していきます。

気持ちよくない

Durex社の調査によると、日本人女性はたったの11%しか毎回オーガズムを感じられていないことが明らかになりました。 一方で、男性の91%が毎回オーガズムを感じられているという結果があり、男女間のプレジャーギャップが激しいことがわかりました。プレジャーギャップが起きると、体だけではなく心のすれ違いが起きてしまい、セックスレスの原因になってしまいます。

体力的に疲れている

多忙な共働き夫婦が陥りやすいのが「疲れすぎセックスレス」です。 仕事が忙しく、心身を消耗していることで「性行為をするよりもゆっくり寝たい」という状態に陥ることです。

産後レスになっている

女性が最もセックスを拒否してしまう時期は「産後」になります。 LEEの調査で、「産後すぐにセックスを再開したい気持ちになったか」と聞いたところ、約9割が「ならない」と回答するという結果がでました。 産後2か月の間は、母乳からシアル酸という免疫成分が出ている影響により、ホルモンバランスが乱れ、本能的にセックスを受け入れられない状態になってしまいます。 パートナーに求められた際には、きちんと自身の状況を説明して理解してもらうことが大切です。

性をタブー視する傾向がある

Durex社の調査によると、「性に対してオープンな考えを持っている人の割合」の順位が41カ国中最下位という結果が出ました。日本人には性に対する独特な価値観が存在しており、「子作り目的以外ははしたないこと」や「性器に対する嫌悪感や偏見がある」というようなものがあります。

日本独特の川の字スタイル

日本の家庭では、夫婦と子供が「川の字」担って寝るスタイルや子供と母親が一緒に寝るスタイルが一般的です。昔から、赤ちゃんや幼児と添い寝する文化が根付いていて、日中にスキンシップをあまり取らない分、一緒に寝ることで安心感を与え愛情を伝えています。 一方で、この就寝スタイルはセックスレスの一因になり、子供がいることで行為がしづらい、誘いづらいという問題が起こります。

セックスレスによる浮気は仕方ない?

セックスレスが原因とはいえ、婚姻関係にある男女が、配偶者以外の異性と性的な関係を行う「不貞行為」を働いたとき、法律上では「不倫」と認識されるケースがほとんどです。 そのため、セックスレスが原因で浮気をされ離婚になった際には、浮気をされてしまった側は慰謝料を請求できる可能性があります。

セックスレスの解消法は?対策について

ここでは、セックスレスの解消法について紹介していきます。パートナー同士でコミュニケーションをしっかりとることや肌の触れ合いから始めることが、心地よさや癒しをもたらしてくれます。

コミュニケーションを大切に

セックスレスの一因に、日常生活のコミュニケーション不足が挙げられます。 ツムラの調査によると、日本人女性の約8割が「隠れ我慢」をしていることが明らかになりました。心身や精神に不調を抱えていても、パートナーのことを考え我慢してしまう場合が多く、性行為時に痛みを感じた場合でも「痛い」と伝えられない女性は少なくはありません。女性がその時考えなくてはいけないのは「申し訳ない」ではなく、「痛いから潤滑剤を使ってもらおう」というように他の選択肢を考えることです。 自分の考えや思っていることをパートナーに伝え、コミュニケーションを図ることが重要です。妊娠目的のセックスをやめてみるのも一つです。

センシュアルラインに触れる


長年にわたってセックスレスになっている人は、まず肌の触れ合いから始めてみてください。 肌の触れ合いによって分泌されるオキシトシンやβ‐エンドルフィンなどの幸福ホルモンは、アナンダミドなどの伝達物質を活性化し、脳へと行き渡ります。アナンダミドは脳内麻薬物質の一種で、これにより幸福感や高揚感、リラックス効果をもたらすといわれています。 これらの幸福ホルモンの分泌を高めるためには、感覚器官を研ぎ澄ますことが大切です。 他の器官と同じように刺激を与えることで、皮膚感覚を高めることができます。なかでも、体の中でも繊細で敏感な部分である「センシュアルライン」に注目してください。 個人差があり、人によって少しずつ位置が違うことがありますが、触れてみてくすぐったい場所が目安といえるでしょう。耳の裏からスタートし、首筋を通り、脇を撫で、胸を一周します。そして体の側面を撫でおろして膣へ向かい、膣からお尻を通って背中の中心の方向に手を伸ばします。くすぐったかったり、ゾクッと感じたりする感覚が脳を刺激し、幸福ホルモンの分泌を活性化させます。 センシュアルラインを優しくマッサージをしながら、肌と肌が触れ合う時間を大切にしましょう。 出典元:森田敦子,2019,『感じるところ』,幻冬舎

デリケートゾーンのケアをしてみましょう

間違ったダイエットや加齢等が原因で、腟が萎縮してしまい、性交時に粘液が分泌されず痛みを生じてしまう場合があります。潤滑剤を使う選択肢もありますが、自身の健康のためにも、デリケートゾーンの洗浄や保湿、腟トレなどをして体から改善してみるのもいいでしょう。 
▷デリケートゾーンの保湿方法に関する記事はこちら
▷WOMB LABOで取り扱いのあるデリケートゾーンケアアイテムはこちら 

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「セックレス」について紹介しました。 日本のセックスレス化は世界的にみても深刻です。セックスはパートナーとの愛情を確かめあえる大事な行為ですので、「しなくてもいい」という考えはなくした方がいいかもしれません。

監修プロフィール

松峯 寿美(まつみね ひさみ)先生

松峯 寿美(まつみね ひさみ)先生

医師・医学博士。日本産婦人科学会専門医。東京・木場にある東峯婦人クリニック理事長。とくに不妊治療、思春期・更年期医療に力を注ぎ、女性専門外来の先駆けとなる。また、日本にまだ数少ない産前産後ケアセンター・東峯サライを開設。
著書に「50歳からの婦人科」や「60歳からのセックスクリニック」等、様々なライフステージの女性たちの体の悩みに関する講演等でご活躍。

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