最終更新 2022.06.01 by WOMB LABO編集部
世界のフェムテック
vol.1 海外と日本の違い~アジア編
Hi, Rachelです。海外のフェムテック情報をお伝えする「世界のフェムテック」
ここでは、世界の女性たちのカラダの悩みや、その体験談についてお届けします。
今回は、海外と日本のセクシャルウエルネスに対する意識の違いについてご紹介。
女性のセクシャルウエルネスや不妊の問題をオープンに話すことは、アジアではまだまだタブーとされています。一方で、海外へ足を運ぶとフェムテック商品はいたるところで見られ、日本の市場との違いを肌で感じられることも。では、海外でフェムテック商品がどのように身近なものとして人々に取り入れられているのか、今回はシンガポールと台湾の様子をのぞいてみましょう。
シンガポール
シンガポールでは、ショッピングモールに入っているグローサリーストア(スーパー)に、Family Planningというセクションがあります。レジから近いこのセクションでは、コンドームや潤滑剤、女性用のバイブレーターが並んでいます。隠れた場所や、人目につかない場所に設置されているのではなく、生理用のナプキン、ベビー用のおむつ、洗濯洗剤の並びに日用品としてディスプレイされている。そう、日本では見られない光景です。ドラッグストアは商品も豊富。デリケートゾーンのソープだけでも10種類以上のものが置かれています。こういった街中の様子を見ると、フェムテック商品は身近なものとして取り入れられているのがわかりますね。
コンドームはアジア圏のみならず、ヨーロッパでもMade in Japanのオカモトコンドームがよく売られていた。箱には岡本OKの文字。海外では日本製への信頼がいまだに厚い。
ドラッグストアで買い忘れてもスーパーですぐ手に入るデリケートソーン専用のソープ。
下から2段目の棚にはウームラボでもお取り扱いのあるスマイルメーカーの女性用バイブレーター。
台湾
台北の街中にあるドラッグストアに入ると、フェミニンケア製品の売り場に一組の親子が入ってきました。私と一緒にいた台湾人の友人が言うには、その母親は娘にこう話していたそう。
「デリケートゾーンは普通のボディーソープで洗ってはいけないの。刺激の少ないこのあたりに並んでいるソープを選びなさいね」
台湾女性の40代以下の世代は、デリケートゾーンはデリケートゾーン専用のソープで洗うことを習慣化している人が多いと言います。植物療法士であり、女性のフェミニンケアブランド「アンティーム オーガニック」のインストラクターでもある南上夕佳もよく言いますが、通常の石鹸やボディソープはアルカリ性で刺激が強く、裸眼を石鹸で洗っているようなもの。腟周りを守ってくれている常在菌が死んでしまい、炎症を起こしたり、膀胱炎を引き起こすことにもなりかねません。※
台湾では、このように母親が娘に伝える風習を持つ家庭が比較的多いため、生理が来る年齢になると娘にデリケートゾーン専用のソープをプレゼントすることもあると言います。
親から教わる風習がなかった世代、50代以上の女性たちは、ドラッグストアでフェミニンケアを知ったり、知識のあるストアスタッフから学ぶことが多いのだそう。60代以上から高齢になるにつれ、腟の乾燥で悩むのはやはり万国共通。閉経を迎え、エストロゲンの減少により、更年期の症状も出てきます。台湾では一般に、腟の乾燥には腟専用のオイルや潤滑剤でケアができると認識されており、日用品として購入する習慣があるようです。
国によって文化も異なり、感覚や認識もそれぞれ。
海外渡航が気軽にできるときがまた訪れた際は、ぜひ立ち寄って体感してみてくださいね。
※腟口内は避け、外陰部を専用のソープで優しく洗い流すことが大切です。
正しい洗い方はこちらから>>>
台北のドラッグストア。店内の一角がすべてフェミニンケア製品。
著者プロフィール
Rachel Tamiya
フェミニンケア・女性のウエルネスケア業界で海外営業企画を担当。
学生時代、新社会人時代とアメリカで過ごす。コロナ禍前は1年に11か国と仕事やプライベートで海外渡航することも。
自身の海外体験を通し、世界のフェムテック事情やフェムテック経験談を取材、独自の観点から紹介する。