もくじ
森田敦子が考えるフェムテック
第4回 フェムテックとセルフプレジャー:セルフケアをしながら自分を愛でよう
前回は「フェムテックとトイ、セルフプレジャーについて」でした。いま、話題の「セルフプレジャートイ」、お試しになられましたか?
今回はそうした「トイ」になかなかチャレンジできたいという方でも、まず始められる「セルフケア・セルフプレジャー」の方法についてお伝えしたいと思います。
トイがなくても、まずは自分の指で触ってみましょう
そもそも、自分の腟(ちつ)まわりを見たことがある方、どれぐらいいらっしゃいますか?一度も触ったことがない、という人も多いと思います。
そんな人がいきなりセルフプレジャーに挑戦しようとしても難しいですよね。
ふだんからよくケアをして、しっかり粘液を分泌できる、うるおった腟(ちつ)を保つことは、免疫力を高めることにもなります。腟(ちつ)は加齢によってうるおいにくくなり、腟(ちつ)の乾燥や萎縮、子宮脱など病気の原因になることもあるのです。そういう意味で、セルフプレジャーはその予防にもなる大事な行為です。
ですから、まずは手鏡を用意して、自分のデリケートゾーンを確かめることから初めてみてください。
中央に腟(ちつ)口があります。そしてその両サイドを囲むように小さいヒダ、小陰唇がありますね。その外側にある大きなヒダが大陰唇です。そして、腟(ちつ)口の前部分に尿道口があり、小陰唇の前あたりにある突起がクリトリス。お尻部分の穴が肛門で、腟(ちつ)口と肛門の間は会陰と言います。
女性の「オーガズム」を感じるのは、この「クリトリス」です。腟(ちつ)内で感じたとしても、快感の元はクリトリスだったというお話は科学的に近年わかったことです。クロード先生の連載では「クリトリス」の構造についてもお話しています。
▼vol.4 クリトリスの正体は〜女性のオーガズムについて①
▼vol.5 オーガズムは感じないといけないのか?〜女性のオーガズムについて②
▼vol.6 不感症と悩まないで〜女性のオーガズムについて③〜
ケアも兼ねて、デリケートゾーンを指でやさしく触っていきましょう。
デリケートゾーンのケアについて
デリケートゾーンのケア、フランスでは母親から娘に伝えていくものなのですが、日本ではそのような習慣がないため、知らないという方も多いのではないでしょうか?そこでここでは簡単なケアについてお伝えします。
① 洗う
お湯で流すだけでは、清潔に保ちきれません。ですので、専用の刺激が少ないソープを使い、手で優しく洗いましょう。ヒダの内側やクリトリスは、恥垢という垢が溜まりやすく、雑菌が繁殖し臭いやかゆみの原因となるので、優しく洗いましょう。
専用のソープとは刺激が少ないものです。約10年程前は、日本にあまり専用のソープがなかったので、自社で開発した経緯があります。「アンティーム オーガニック」や「ワフィト」にも商品があります。
▼【INTIME ORGANIQUE】 フェミニン ウォッシュ 2,200 円(税込)
▼【Waphyto】インティメイト ウォッシュ 2,750 円(税込)
②潤す
腟(ちつ)まわりはからだの中で、一番乾燥しやすい場所です。デリケートゾーンを潤すためにオイルなどを使った保湿ケアは日常的に行ってほしいものです。
▼【INTIMERE】バーシングオイル 11,000 円(税込)
▼【Waphyto】インティメイトオイル 8,800 円 (税込)
③保湿する
専用のクリームやジェルで保湿と透明感を与えるケアをしましょう。こちらも清潔な状態で、前から後ろへ、腟(ちつ)まわりから肛門へ向けて、保湿していきます。
▼【INTIME ORGANIQUE】ホワイトクリーム 2,860 円(税込)
具体的な洗い方については、こちらの記事を参考に。動画もあるので、わかりやすいかと思います。
▼今さら聞けない!デリケートゾーンケアって何のため?【正しいケア方法・解説動画付き】
こうしてケアしながら、自分のデリケートゾーンをゆっくりと触っていってください。そして、どこの部分が感じるのか、どういうタッチで触られると嬉しいのかをじっくり確かめていきましょう。それを知ることで、パートナーにも伝えることができ、あなたのセックスライフも充実していくことになります。
今日お風呂に入ったときにでも、さっそく試していただけると嬉しいです。感じることで心身ともに健やかな毎日を過ごしたいですね。
著者プロフィール
森田敦子
日本におけるフィトテラピー、フェムケアの第一人者。
株式会社サンルイ・インターナッショナル代表。
パリ13大学で植物薬理学・性科学を学び、帰国後は植物療法による知見を活かし介護や産前産後の現場で尽力。フェムテックの先駆けとなるフェムケアの啓蒙活動も行う。2013年デリケートゾーンケアブランド「アンティーム オーガニック」処方・開発、「ルボア フィトテラピースクール」主宰。2020年、トータルライフケアブランド「Waphyto」創設。私生活でも42歳で自然妊娠・出産。「潤うからだ」ほか著書多数。