世界のフェムテック
vol.5 腟が痛くて座れない

世界のフェムテック

世界のフェムテック、第5回目のテーマは、腟の痛み。痛みと一言で言っても、性交痛や腟の乾燥からくる痛み、感染症やかぶれから起こる痒みやひりひり感と、症状はさまざま。
婦人科で診てもらう必要があるものもあれば、デリケートゾーンの保湿といったお手当方法(セルフケア)を知っていれば解消されるものも少なくありません。

今回は、陰部痛の中でも原因不明の痛みで婦人科、泌尿器科を何件もはしごしたNaomiさん(41歳)のお話。あらゆる臨床検査を受けたにも関わらず、何年も原因が突き止められず生活していたと言います。

検査しても問題なし

20代前半で米国に留学したばかりの彼女。当時は、インターネットから得られる情報はごくわずか。痛みや不快感を抱え、一人で悩んでいた日々。爛れてもいないのに皮が剥けたようなヒリヒリ感や灼熱感に加え、座れないほどのデリケートゾーンの痛み。痛みだけに留まらず、クリトリスのあたりのモゾモゾとした違和感。性行為をしているわけでもないのに連続的に感じるオーガズムのような感覚。尿意なのか性的欲求から起こる反応なのか、区別がつかない状態から、尿意や残尿感も強く、頭がおかしくなるような日々だったと振り返ります。

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米国に住んでいたこともあり、クリニック以外に、気軽に参加できる*セルフヘルプの存在が彼女の支えとなったのです。女性のカラダの悩みについて、専門家とその当事者が集う会に参加し、悩みを話して気持ちをコントロールすることができたそうです。

*セルフヘルプ) 悩みを抱えた当事者たちが自らの現状を修正、改善する意思をもって集まって語り合う活動

腟がウツ?!

尋ねた医者には包み隠さずオープンに相談。医者以外の周りの異性を含む友達や家族にも赤裸々に話したNaomiさん。恥ずかしいという次元ではなく、どうにかしてくれという気持ちでいっぱいだった中、あるドラマを見たことをきっかけに事が変化していきます。

アメリカの人気ドラマSex and The CityでVulvodynia(慢性外陰部痛)という病気について取り上げられたのが2001年。今から20年以上も前のことです。4人の女性たちの人生模様を描くドラマの中で、シャーロットが「my vagina is depressed.」と友達に告白。そこで、なかなか良くならない腟まわりの症状を婦人科医に診てもらったところ「腟がウツになっている」と診断されます。

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あらゆる書籍やネットの情報を参考にしても情報がない状態から、ここで初めて自分の症状に近い問題を抱える女性が存在することを知ります。

視点を変えたことによって得た糸口

その出来事をきっかけに、婦人科から心療内科と見方を変え、専門的な意見を取り入れながら、薬物療法によって知覚過敏状態のデリケートゾーンを改善させていきます。そして、出口の見えない状態から、後に出会ったパートナーが彼女をヒーリングしていったのです。

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「心の状態はカラダに症状や現象となって教えてくれる。心とカラダはダイレクトに繋がっている」
内なる声に耳を傾け、自身と向き合うことができたこの経験は、いまも彼女の中で生きており、物事を様々な角度から冷静にみて判断、行動する習慣となったと言います。

いま、原因不明の症状で悩む女性たちにも、希望を持って諦めないでほしいというNaomiさん。周りにいる人やツールに頼り情報を集め、視点を少し変えたり、ちょっとした工夫で事は大きく動くこともある、そして、糸口は必ずあるはずと。

まとめ

原因不明の症状や不定愁訴で悩む女性は多い現代。今回は、腟の痛みでNaomiさんにご協力いただきました。症状や体調の変化で不安なときは、1人で悩まず、婦人科や専門の医療機関で診て頂くことをお勧めします。症状や悩みがなくても普段から自分の信頼できる
ウーマンズクリニック「マイ婦人科」を持つことから解決につながることも。

引用:Sex and the City Season 4, episode 2, “The Real Me”, June 3, 2001

著者プロフィール

Rachel Tamiya

Rachel Tamiya

フェミニンケア・女性のウエルネスケア業界で海外営業企画を担当。
学生時代、新社会人時代とアメリカで過ごす。コロナ禍前は1年に11か国と仕事やプライベートで海外渡航することも。
自身の海外体験を通し、世界のフェムテック事情やフェムテック経験談を取材、独自の観点から紹介する。

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