性交痛とは?奥の痛みの原因や改善法、更年期性交痛の対策法についてご紹介

最終更新 2021.10.15 by WOMB LABO編集部

こんにちは。WOMBLABO編集部です。今回は「性交痛」について、更年期に起こりやすい腟萎縮による性交痛の対策法をメインに、奥の痛みの原因や改善方法までを紹介します。

性交痛とは?

性交痛とは、性交するときに感じる痛みのことを「性交痛」と呼びます。痛くなる場所や痛みの程度は個人差がありますが、腟の入り口が痛くなる場合や膣の奥が痛くなる場合が多いです。

性交痛の入口付近で感じる痛みの原因

性交痛の入口付近で感じる痛みの原因は、心理的なものから病気や感染症、ホルモン減少に伴うものまで様々です。

心理的なストレス

性交渉に対する恐怖感や、パートナーへの嫌悪感、妊娠に対するマイナス感情など心理的に負担がかかった状態で性行為を行うと、痛みを感じやすくなることがあります。対策としては、まずパートナーとしっかり対話して、どのような行為に痛みを感じ、嫌悪を感じるのかを素直に伝えてみてください。そのほか、カウンセリングや認知行動療法を受けてみるのがいいでしょう。

挿入時の痛みがいつまでも続く場合は体質?

通常、挿入時の痛みは徐々に慣れていく場合が多いです。しかし、腟の形には個人差があります。体質的に腟の入り口が狭く伸びにくくなっていることで、挿入時に痛みが生じる場合があります。

感染症や炎症

外陰部や腟の炎症や性器ヘルペスやトリコモナス腟炎などの性感染症が原因で痛みを感じることがあります。きちんと検査を受けて、適切な治療を受けましょう。

腟萎縮による痛み

「萎縮性腟炎」は更年期に女性ホルモンが減少することで起きる病気の1つで、外陰部や腟が萎縮し、うるおい不足になる状態になることです。 症状としては、外陰部の乾燥、乾燥による痛みやかゆみ、不快感、性交痛、灼熱感、出血、ニオイなどがあります。閉経を終えた女性の2人に1人はこの症状に悩まされています。 女性ホルモンの減少が主な原因ではありますが、誤ったダイエットや生活習慣の乱れ、ストレスによっても「萎縮性腟炎」は引き起こされることがあります。つまり、更年期の女性だけではなく、若い女性にも注意が必要な病気であります。

更年期の性交痛対策とは?

ここでは、多くの更年期女性が抱える「腟萎縮」による性交痛対策方法について紹介します。

更年期障害用の性交痛の潤滑ゼリー

腟萎縮によるうるおい不足を感じる方は、潤滑ゼリーを使ってみるのもいいでしょう。 性行為にためらいがある方の不安を軽減し、うるおいを補充することで性生活のサポートをしてくれます。
潤滑ゼリーは女性のデリケート部分専用につくられてるので、女性の腟内㏗に合わせた安心でシンプルなつくりになっています。同じように潤滑剤として使われることもあるローションは、デリケートゾーン専用ではなく身体用です。
したがって、性交痛を緩和したい時は潤滑ゼリーを使うようにしましょう。 現在では、多種多様な潤滑ゼリーが販売されていて、女性向けに開発されたオーガニック原料の潤滑ゼリーもあります。
できれば、化学成分が多く配合されたものではなく、ローズやカレンデュラ、アロエといった女性ホルモン様作用があり、スキンケアにもなるような優しい素材が使われているものを選びましょう。腟まわりの保湿材としての役割にもなり、乾燥対策にもなります。

性交痛を漢方薬で改善?

更年期症状は、漢方薬を服用して改善することができます。 性交痛に悩む女性におすすめの漢方薬は以下の通りです。
①六味丸(ろくみがん)
六味丸(ろくみがん)は、身体の弱った機能をおぎなう方剤です。具体的には、全身の乾燥や頻尿、むくみ、足腰の痛みやしびれなどの症状に適応します。血液を補う生薬、余分な熱を冷ます生薬、からだを潤す働きをする生薬などが含まれています。

②八味地黄丸(はちみじおうがん)
八味地黄丸(はちみじおうがん)は、「腎」を元気にし、基礎代謝を活発にすることで症状の改善をはかる方剤です。 具体的には、冷えや腰痛、しびれ、頻尿など老化に伴う症状に適応します。
漢方薬は、自分の体質や症状に適したものを選ぶことが大切です。保険適用内で処方される漢方薬も多いので、まずは病院で相談してみてください。

腟が濡れやすくなる食材

年齢によって低下してく「腎」の機能を補うことで、ホルモンバランスが整いやすくなるといわれています。ホルモンバランスを整え、腟のうるおい不足を解消し、粘液力を高めてくれる食材を紹介していきます。

・まいたけ
食物繊維やビタミンB2などが豊富なだけではなく、グリスリンという成分が含まれています。グリス林は、不妊治療や生理不順の改善目的でも使われている成分で、粘液力の増加やアンチエイジング全般に効果があることが報告されていいます。 ・海苔 海苔に含まれる海苔ペプチドには、腟まわりを含む皮膚の粘膜や健康を維持する作用が期待できます。

・ブロッコリースプラウト
ブロッコリーは「野菜の王様」と呼ばれるほど有効成分を豊富に含みます。特に、新芽の部分であるスプラウトには、スルフォラファンといわれる高い抗酸化作用と抗糖化作用が期待できる成分が含まれています。


また、40代を過ぎたら意識してほしいのが「良質な油を積極的に補う」ということです。 私たちの体の中では作ることができない必須脂肪酸で、食品から摂取する必要があるのが「オメガ3」と「オメガ6」になります。
特に、オメガ3は細胞や血管の若返りには欠かせない良質な油で、多くの研究でその機能性についても明らかになっています。オメガ3オイルには、DHAやEPAといった魚有成分やキャーノラ油やエゴマ油といった植物性のものがあります。 オメガ3系オイルは、熱や光に弱く、酸化しやすいのが特徴です。そのため、冷蔵保存をしたり、開封後3か月以内には使い切ることなどをして積極的に摂取してみてください。

出典元:森田敦子(2018)「枯れないからだ」河出書房新社

睡眠が腟のうるおい不足を解消?

腟内のうるおい不足を解消するには「良質な睡眠」が欠かせません。成長ホルモンが分泌される睡眠時に、腟のうるおい不足を解消する粘液がつくられるからです。
成長ホルモンの分泌は、粘液力の向上だけではなく、肌のターンオーバーの促進や傷や炎症などの回復、神経や筋肉などの疲労解消にも不可欠です。成長ホルモンは、加齢とともに分泌が少なくなるともいわれていますが、成長期を過ぎても運動や食事に一工夫加えることで、その分泌を維持することは可能です。
具体的には、まずヨガやストレッチなど軽い運動を取り入れることが大切です。適度な筋肉の疲労は、成長ホルモンの分泌を促してくれます。また、満腹になるまで食べ過ぎないことも大切です。空腹を感じている状態は、成長ホルモンが分泌されやすくなります。
出典元:森田敦子(2018)「枯れないからだ」河出書房新社 

性交痛の奥の痛みは改善できる?原因は?

腟の奥や骨盤内に痛みを感じる場合は、病気や感染症の可能性があります。病院に行き、診察を受け、適切な治療を受けましょう。 ここでは、子宮内膜症、慢性骨盤内炎症、クラミジア感染症について紹介したいと思います。

子宮内膜症

子宮内膜症は20~30代の女性が発症することが多く、女性の6%~10%が発症する病気です。腟の奥に痛みを感じる場合は、最初に子宮内膜症を疑った方がいいでしょう。 症状としては、生理痛や腰痛、腹痛、排便痛、性交痛などがみられます。放置していると、不妊の原因もなるので、早めに受診するのがおすすめです。

骨盤内炎症性疾患

骨盤内炎症性疾患は、女性生殖器に上行する微生物が原因で発症する感染症で、一般的に35歳未満の女性が発症しやすいとされています。卵管炎や子宮内膜炎などの合併症を引き起こしやすく、一般的な症状および徴候として、下腹部痛、頸管分泌物、および不正性器出血があります。長期合併症には、不妊や慢性骨盤痛があります。 出典元:MSDマニュアルプロフェッショナル版

クラミジア感染症

日本で最も多い性感染症で、クラミジア・トラコマティスという細菌によって起こります。性交痛、下腹部痛、排尿痛、おりものが増えるなどの症状が現れることもありますが、自覚症状がない場合もあります。 放置すると、子宮頸管炎、骨盤内付属器炎、肝周囲炎、不妊などを引き起こすこともあります。 出典元:東京都感染症情報センター

子宮内膜症による性交痛の対策法はある?

ここでは、上記に挙げた病気や感染症のなかでも、腟の奥に痛みを感じる場合に疑うべき病気である「子宮内膜症」の対策・治療について紹介します。

低用量ピルで子宮内膜症対策?

低用量ピルは、ホルモン療法の一種で排卵を抑制する薬です。 子宮内膜症による生理痛を軽減する効果だけではなく、子宮内膜症の進行を緩める効果も見込めます。 出典元:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン

手術療法

ホルモン療法では治療困難な内膜症の場合は、手術療法が効果的で根本的な治療法になります。最近では、腹腔鏡手術が主流になっていて、お腹を切開することなくレーザーなどで焼き飛ばす処置が可能になってきました。ただし、手術法は妊娠の希望有無によって変わりますので、病院で適切な診断を受けましょう。 出典元:公益社団法人日本産婦人科医会

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「性交痛」についてまとめてみました。 充実した生活を過ごしていくためにも、自分の体質や症状にあった対策をし、必要があれば早めに病院にいって診断を受けましょう。

監修プロフィール

松峯 寿美(まつみね ひさみ)先生

松峯 寿美(まつみね ひさみ)先生

医師・医学博士。日本産婦人科学会専門医。東京・木場にある東峯婦人クリニック理事長。とくに不妊治療、思春期・更年期医療に力を注ぎ、女性専門外来の先駆けとなる。また、日本にまだ数少ない産前産後ケアセンター・東峯サライを開設。
著書に「50歳からの婦人科」や「60歳からのセックスクリニック」等、様々なライフステージの女性たちの体の悩みに関する講演等でご活躍。

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