Enchantée, c’est Bérengère Arnal
みなさん、こんにちは。今回からこの連載を担当することになったベランジェール・アルナールです。どうぞよろしくお願いします。
まずは自己紹介から
私は長年、産婦人科医として、女性の「性(セクシュアリティ)」についての研究を行ってきました。医学的な観点だけでなく、生理、閉経、更年期などに関する不安の相談にものってきました。パートナーとの関係も女性にとってはとても大切な問題ですよね。「セックスレス」や「デリケートゾーン」といった「性(セクシュアリティ)」に対するアドバイスも、多くの患者さんに行ってきました。
そこで、この連載では、これまで多くのフランス人女性の診察を通して得られた知識や経験、ちょっとしたヒントを、お伝えしていきたいと思います。
女性の「性(セクシュアリティ)」についてオープンに語られているフランスの状況をお話しすることで、デリケートゾーン、乳房などの自分の体そのものに興味を持ち、日本の女性がもっと自由に、「女性であること」を謳歌できるようになることを願っています。
女性であることを謳歌している日本人女性といえば、間違いなくあつこ(森田敦子)でしょう。
あつこは、わたしが教授だった医薬学部の生徒でした。
わたしがあつこに「日本の女性はお肌や髪の毛ケアは欠かさないのに、なぜデリケートゾーンのケアをしないのか?」と疑問を投げかけたことがきっかけで、帰国後に会社(サンルイ・インターナショナル)を立ち上げてくれたと聞いています。
デリケートゾーンの重要性を理解し、フィトテラピーを基盤とした製品の開発や日本人女性への啓もうを行ってくれていて、とても嬉しく思います。
デリケートゾーンと婦人科系の病気は直結している
さて、まずはなぜわたしがあつこに「デリケートゾーン」の話をしたのか、についてお話したいと思います。
「デリケートゾーン」って自分の一部ですよね。肌や髪は乾燥やぱさつきが気になるのに、デリケートゾーンの状態は気にしたことがない、という人はきっと多いと思います。よく見えないし、どうなっているかもよくわからないし。それに、デリケートゾーンは女性の月経や妊娠・出産のためだけのもの、と思っている人もいるのではないでしょうか。
でも、それは違います。むしろ、女性にとって、デリケートゾーンの状態を知ることは、自分の体を知ることであり、健康のひとつのバロメーターになります。
自分の体を知れば、体調を整えて、ハッピーに穏やかに、毎日を過ごすことができます。だからこそ、デリケートゾーンをいたわり、ケアしてほしいわけです。
では、デリケートゾーンをケアしないとどうなるでしょうか?
「膣が乾燥」してしまいます。
デリケートゾーンのかゆみやムレが気になったことがある人も多いでしょう。
肌の潤いがなくなると乾燥、かゆみ、湿疹などを引き起こすように、「膣の乾燥」も、かゆみ、ムレなどを引き起こすようになります。
具体的には膣が乾燥することで
① 婦人科系の病気のリスクが高まる
② パートナーシップが悪化する
③ 美容や健康に悪影響を与える
ことが知られています。
ひとつずつ説明していきましょう。
まず、婦人科系の病気のリスクについて。
「膣が乾燥」することで、先ほどもお話したように、かゆみ、ムレ、そして人によっては痛みを感じるようになります。同時に粘液力が低下するので、免疫力も落ちます。
免疫力が低下すると、体内に侵入しようとするウィルスや細菌が体が入る可能性が高くなり、感染症にかかりやすくなるわけです。
免疫力が大切というのは、この数年で誰もが痛感したことでしょう。
さらに、肌のように膣も、年齢を重ねるとともに、たるみやゆるみが出てきます。それが、頻尿、尿もれ、子宮脱といった病気を誘発します。
次にパートナーシップについて。
膣が乾燥すると、セックスのときに痛みが伴い、女性が男性から誘われても、セックスを拒むようになります。性欲が減退する人も出てきます。膣の乾燥が理由だったとしても、セックスの回数がヘルことで、徐々にパートナーとの溝を作ることにもなります。
膣の乾燥が原因で、大事な人との関係がうまくいかなくなるなんて、本末転倒ですよね。そのためにも、膣をちゃんとケアしてほしいと思います。
最後に美容と健康について。
健康や美容にセックスがいい、ということは知られていると思います。セックスをすることで「エストロゲン」という女性ホルモンが出やすくなります。「エストロゲン」は排卵、月経だけでなく、皮膚や骨の健康、感情、自律神経の働きにも関与します。しかしながら、膣が乾燥していると、性交痛が起こるため、セックスでの快感が得られにくくなり、エストロゲンが出にくくなっていきます。
つまり、痛みや萎縮が生じて、セックスの回数が減れば、セックスを行っている人に比べて肌や髪、骨の健康に影響が出ることになります。
もし、これを読んでいるあなたが30代以降であれば、デリケートゾーンのケアをいますぐにでも始めてほしいと思います。
デリケートゾーンの具体的なケアについては、別の機会にお話しすることにしますが、もし何を選んでいいかわからないということがあれば、あつこが手掛けている「アンティームオーガニック」を試してはどうでしょうか?たしか、ウォッシュやクリームがあったはずです。ぜひ、自分のカラダに毎日触れて、自分の目で確かめてください。あなたの身体を守れるのはあなただけです。
最初の一品を選ぶとしたら「フェミニン ウォッシュ」かな?まずはデリケートゾーンをお風呂で洗うことから始めてみてください。
今日はこの辺にしましょう。
Au revoir(さようなら)
著者プロフィール
Dr. Berengere-Arnal
ベランジェール=アルナール
医師・医学博士
パリ第13大学医薬学部 元教授
婦人科専門医