3歳からの性育
第4回 日常生活に「性育」を自然に取り入れていく

最終更新 2023.04.06 by WOMB LABO編集部

生理をあえて隠さない

子供と一緒にお風呂に入っているときに、生理中だと血が流れたりしますよね。それをあえて隠さないようにしています。最初子供はびっくりして「病気なの??」と心配しましたが、大人の女の人になると、お腹をお掃除するんだよ、それがこの血なんだよ、みたいなことを説明しました。そうすると、子供はびっくりしなくなります。大人になると1ヵ月に1回ぐらいあるんだよ。お掃除しているだけだから大丈夫だよ、みたいな。お母さんと一緒に訓練というか、OJTみたいなものですね。

子供が生理を理解する年齢になれば、「ちょっと今日はママは生理でお腹が痛いから横になってるね」っていうのを、私も言うようにしています。そうすると「生理の時ってお腹痛いんだー」とか「ちょっとしんどいんだなあ」というのが、なんだか身近に子供たちは理解できるわけですよね。私が子供のときは、時代もありますが、生理は隠さないといけないものだったような気がします。それがデリケートゾーンのケアを知らなかったことに、つながっていると思います。だから子供には隠さず「お腹が痛い」など自分の体のことを話すようにしています。そうすると、それが当たり前だと理解してくれるようになると思います。お母さんが家族に「お腹が痛い」ということをちゃんと伝えられること自体も大事だと考えています。

本の範囲のことは伝えるようにする

たとえば本の中で性行為について触れられているものもありますが、本に書いてある範囲のことはさりげなく伝えるようにしています。

「大切だなと思う人とはハグするよ。知らない人とは急に抱き合ったりしないでしょ?」みたいな話をします。

たとえばアニメのキスシーンを見て、子供が「おえー」って言っていたことがありました。そのときに「どうしておえーなの?」「お互いを大事だと思っているからキスするんだよ」と伝えました。 その時、本人がどこまで受け止めているかわかりませんが、もう少し大きくなったら理解するのかなと思います。子供は思っている以上に「いやらしい」と思いません

親のほうが子供にこんな話をして大丈夫なんだろうか?と構えているように思います。親が思っているよりも子供はもっとフラットです。大人が思うほど固定概念がないし、いやらしいものだと思っていません。そういう考えもないと思います。いろんな話をしてみるようにしていますが、思いのほか受け止めてくれるという印象です。

プライベートゾーンを伝える

プライベートゾーンは「他人に気軽に触らせてはいけないところ」と教えるようにしています。同時に人との距離感の取り方の一環として伝えるようにしています。

プライベートゾーンについては先般ご紹介している絵本で学ぶことができると思います。でも我が家では知識だけでなく、体感としても理解してもらうように心がけています。

例えばそれは抱きしめ実験です

まずはママが後ろから抱きしめます。「もし、これが知らないおじさんだったらどう感じる?」ときくことで体感として納得することができます。知らない人だったら、ピッタリくっついてきたらおかしいよね、という風に。

一方で、親しいから手を繋ぎたいと思うよね、相手が大切だから好きという気持ちになり、くっつきたいと思うよね、と。

こうして、包括的に日常生活のなかの人との付き合いを通して、性について学んでいってほしいと思っています。 

中学生になったらなおさらです。「自分の体って大切だし、大切な部分って誰でも触っていいもんじゃないよね」ということを伝えることが必要です。子供のときと伝え方は変わるかもしれないけれど、伝える内容は変わらないです。

いまは子供がスマホを持つのが当たり前になってきていて、インターネットでいろんな情報が入ってきてしまう。そんなときにこそ、お父さんとお母さんから話してみてほしいです。思春期に入ってしまって、話すタイミングを失っていると思うときがあるかもしれませんが、ぜひ本を読んで勉強して、とにかく少しでもいいから、普段の会話に取り入れてみてください。もちろん、その前に夫婦で性についてぜひ話し合ってみてください。

子供が性器を触っていても怒らないで

娘がおまたを触っているのを最初にみた時、実はわたしでもうろたえました。でも、子供は触ることで安心するというのを本能的に知っているようです。メカニズムとしても触ることで幸せホルモン、快感ホルモンが出て、リラックスできるため、理にかなっています。特に男の子はやたらと触るんですよね。突起しているので気になるというのもあるようです。

そんな時に「やっちゃダメ!」と怒るのはやめてください。まず1回は認めてあげてください。本能的なのだから仕方がありません。「ここ触っていると気持ちいいよね」と認めてあげた上で、「でも、外でやっちゃダメだよ」「人のいるところでやっちゃダメだよ」「自分の大事な部分だからね」と教えてあげるようにしてください。

私たちの世代は「ちつは汚いから触っちゃダメ」「見ちゃダメ」と言われて育ってきました。だからデリケートゾーンのケアの仕方がわからない。誰も教えてくれない。そして放置してしまったことでトラブルの原因になってしまうこともあります。

子供は、親に言われたことってよく覚えているんですよね。だから、興味を持ったときには否定しないでいただきたいです。そして、それを性の話をするきっかけにできるといいですね。

岡本佳央理

岡本佳央理

フェムテック・ウェルネスメディア「WOMB LABO(ウームラボ)」ディレクター。
2012年より株式会社サンルイ・インターナッショナルで植物療法士・森田敦子と共にデリケートゾーンケア&パーツケアブランド「アンティーム オーガニック」の開発に長年携わる。
プライベートでは3児の母。自身の出産と育児を通じ、子供世代にも伝わるフェムケア・性教育の啓蒙を行う。
Instagram: @kaori_womblabo
https://www.instagram.com/kaori_womblabo/

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