“世界のフェムテック vol.8
You have a choice. ~心地良いこと、それがこたえ~”

"世界のフェムテック  vol.8 You have a choice. ~心地良いこと、それがこたえ~"

最終更新 2022.12.13 by WOMB LABO編集部

Hi, Rachelです!

最近、セクシャルウェルネスという言葉を聞く機会が増えたのではないでしょうか。フェムテック*2)の言葉の普及と共に、日本でもSNSやメディアで取り上げられる頻度が高くなりました。今年最後のトピックは、このセクシャルウェルネスについて。

Vol.6では、セクシャルライフやパートナーとの関係についてインタビューをした内容を紹介していますが、今回は、セクシャルなトピックに抵抗があるという方に向けてお届けしますので、是非、最後まで読んでみてくださいね。

海外は性に対してオープンか?

日本と異なり国や宗教など多種多様に存在する海外。特にアメリカは様々な人種が集まります。海外はオープンというイメージがあるかもしれませんが、性の事やセクシャルヘルスについてオープンに話しているかというと、実はそうでもないのです。特にアメリカは日本と似ているかもしれません。友達同士で盛り上がるネタとして反応している学生を良く見かけたり、避妊の話題の方が強調、注目され、Sexやセクシャルアクティビティをポジティブで健全なものとして捉えている雰囲気はあまり見受けられませんでした。

海外は性に対してオープンか?

一方で、カリフォルニアの地域で一緒に住んでいたファミリーはとてもオープン。こちらのファミリーは、タヒチとドイツの家系でした。ディナーテーブルの席で、どこで、どんな風に、どの日に愛を育んでできた子か、子どもに語ります。子どもたちは「また始まったよ~」と言って耳を手でおさえながら少し嬉しそうにし、夫婦は見つめ合って「I love you」と言ってkissをする。その場が映画の様なハッピーな雰囲気で溢れます。もちろん具体的に行為について話す訳ではないですが、この何気ない家族のオープンなコミュニケーションによって、Sexやセクシャルアクテビティは素敵なことで、ポジティブなことと自然に捉えている子どもたちがいるのです。年月が経った後も、高校生になった子供たちが自然と親に相談できる、そういう関係性が出来ていたのを記憶しています。

海外は性に対してオープンか?

メディアで発信される事と現実とのズレ

ニューヨークタイムズでコラムを書かれ、女性のデリケートゾーンについての書籍を出版しているカナダ系アメリカ人の婦人科医、Dr.ジェニファー・ガンターは、書籍の中でこの様な事を書いています。

性生活への満足度を調査したところ、異性愛者の49%、同性愛者の47%、両性愛者の49%が性生活に満足していると答えました。この結果から、女性たちの満足度はそれほど高くないことがうかがえます。また、生活の中でSexは欠かせない大事なものだと、メディアや、数多くの専門家やインフルエンサーが発信し、個人のアンケートでもそのように答える人が多いにも関わらず、現実には人がSexに費やす時間は1日平均4分程度と言います。これは、冷蔵庫を開けて何があるか探している時間と匹敵します。この事から、性生活への不満は非常に一般的であるということがわかります。
(Jen Gunter, MD,The Vagina Bible, P.30)*1)

メディアで発信される事と現実とのズレ

Sexだけがセクシャルアクティビティではない

ホルモンバランスががらりと変わり、産後のママたちが性生活に戻ることは簡単ではなく、産後にSexをしなくてはいけないというプレッシャーでメンタルヘルスを崩す人がいると言います。WOMBLABOでもご紹介しているSmileMakersのCEOのマティアス・ハルティング氏はこう言っていました。

「セクシャルアクティビティはセックスという性行為だけではない。ロマンティックな香りのキャンドルを焚いてハグをしたり、そのオイルで背中をマッサージし合ったり、こういうこともセクシャルアクティビティとして取り入れることができる」

Sexだけがセクシャルアクティビティではない

この話から、デリケートゾーンにまつわる行為だけではなく、目から入ってくる情景、耳から入ってくる音、鼻から感じる匂いと、感覚を研ぎ澄まし、その体感をパートナーとシェアすること。それがパートナーとの関係性や信頼性を深め、安心感へとつながり、結果的に心身の健康にポジティブに影響する=セクシャルウエルネスなのだと捉え、ハッとさせられました。

抵抗があるなら無理して取り入れる必要はない

日本でもフェムテックという言葉が普及し、セクシャルヘルスについて取り上げられています。もしあなたが、性に対して話すことや聞くことに抵抗があるのなら、それも答えの一つ。たとえば、「セクシャルウエルネスが流行りだから、セルフケアの一つと知ったから」などといって、自分の心がざわつき、心地良くないのであれば、無理をして取り入れる必要はないでしょう。自分の体に興味を持つだけでも充分。多様性がうたわれる時代、選択もそれぞれ。自分の心地良さを軸に選び、取り入れる、それが一番のセルフケア。

あなたの「心地よい」は何ですか?

参考文献・引用:
1)Jen Gunter, MD (2019),The Vagina Bible, P.30. Kensington Publishing Corp.
2)フェムテック*、FemTech(フェムテック)とは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。

著者プロフィール

Rachel Tamiya

Rachel Tamiya

フェミニンケア・女性のウエルネスケア業界で海外営業企画を担当。
学生時代、新社会人時代とアメリカで過ごす。コロナ禍前は1年に11か国と仕事やプライベートで海外渡航することも。
自身の海外体験を通し、世界のフェムテック事情やフェムテック経験談を取材、独自の観点から紹介する。

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