#06「さあ、性教育を始めてみよう」

こんにちは、植物療法士の柏木春香です。

コラム「性教育のススメ」にて、性教育にまつわるあれこれについてお話をしてきました。性教育は全ての人がそれぞれの人生を豊かに過ごすための大切な教育であること、少しでもお分かりいただけたでしょうか?

コラムは今回が最終回です。多様化が急速に進む今の時代だからこそ、性について正しく知り、溢れかえる情報に惑わされることなく自分らしい生き方をしていきたいですね。

 

恥ずかしいことなんてなにもない

性欲は薄汚い、いやらしいものでしょうか?性欲があることは隠すべきでしょうか?性について話すなんてもってのほか?

答えはもちろんノーですよね。

自分の体も、自分のセクシュアリティも、性欲も、当たり前に存在するものであり、決して恥ずかしいものではありません。とりわけ日本では、女性が性の話をすることをタブー視する風潮がありますが、男性は良くて女性はダメなんて、よくよく考えてみたら不思議な話。

女性にだって性欲はあって当たり前のものですし、性について正しく知り、適切に付き合っていくことは男女問わず必要なこと。

そして性教育について興味を持ったならば、その時がタイミング。

恥ずかしがらず、性に向き合い、お子さんと一緒に性について考えてみてください。

 

日常的に性の話をできる親子関係づくりを

 

性教育をするにあたって大切なのは、どんな時でも、どんなことでも、話をしあえる親子関係ではないでしょうか。

性に対する興味は幼少期から始まり、一生を通してさまざまな場面で関わりのあるトピック。もちろん友人や専門機関など、相談先がたくさんあるのも良いことですが、何かあった時すぐに相談できる家族がそばにいると心強いですよね。

そのためにも、日頃から、どんなことでも話せる関係作りに努めたいものです。

性の話に限らず、お子さんがどのようなことを考え、どのように過ごしているのか話してくれると嬉しいもの。

そしてお子さんにとっても、どんな話であろうとなにも言わずに聞いて受け止めてくれる存在がいるということは、大きな心強さに繋がります。

 

とは言っても、子どものことを思うがゆえに、ついつい口を挟みたくなったり指摘したくなったり…そんな経験ありませんか?

子どもの話を最後まで黙って聞く!と心に強く留めていても、話を聞いてるうちにあれこれアドバイスをしたくなって口を挟んでしまう…私自身そういった経験は幾度となくあります。

 

しかし、そこをぐっとこらえ、「そんなことがあったんだね」「そういう風に考えているんだね」とお子さんの話を聞いてあげてみてください。

そうすることで、お子さんにとってどんなことでも口にしやすい環境が徐々にできていくのではないでしょうか。

 

そしてこれまでもお伝えしてきている通り、子どもが性の話を自分からしてきてくれているうちに、性のことを話せる基盤をしっかりと作っておくことです。

子どもが純粋な性に対する興味を示しているうちに、積極的に話をするようにしてみましょう。女の子になぜおちんちんはないの?セックスってなに?好きな子がいる!などの話がでたらチャンスだと思って、話を広げてみましょう。

 

「女の子におちんちんがないのはなんでだと思う?」

 

「じゃあ女の子にはなにがある?」

 

「好きな子って男の子?女の子?」

 

など、どんな聞き方でも良いですし、問いに対する答えをご自身が持っていなくても投げかけちゃって大丈夫。わからなかったら「ママもわからないんだ、一緒に調べてみない?」と、一緒に学べばOK。

「性教育」と改まって構える必要はありません。

日常会話だと思って気楽な気持ちでお話してみてくださいね。

正直な気持ちで向き合う

 

さて、どんな時でも、どんなことでも話し合える環境をと話してきましたが、それはお子さんから大人に対してだけでなく、大人からお子さんへ話をするということも含みます。先ほど触れた、「わからないことはわからないと言ってOK」ということですね。

 

お子さんのありのままを受け止めると言っても、成長するにつれ、性の心配事は出てきてしまうもの。

そんな大人の子どもを心配する気持ちを我慢し続けることなく、時には正直に伝えてみましょう。

実際、世の中に子どもの性を悪く使おうとする人もいますし、性と間違った付き合い方をすることは様々なトラブルに繋がることなど、事実として知っておくべきことはたくさんあります。

大人側の心配事は、知っておくべき事実も交えながら話してあげると、仮に思春期に入ったお子さんにとっても届きやすいのではないでしょうか。

 

これまで、性の話をすることは良くないことのようにされてきたのに、性教育をするからといって突然話ができる様にならないのは当たり前のこと。それほどまでに長い間、私たちは性というものに蓋をしてきたのです。

 

しかし日本における実際は、AVや風俗に加えマッチングアプリ、女性用風俗の普及、そして夫婦間のセックスレス、若年層の恋愛離れ。性が絡むところにたくさんの問題が潜んでいます。

果たしてこのまま性に蓋をしたまま、無いものとして扱い続けるべきなのでしょうか?

これからの時代を生きていく子どもたちも性に蓋をしたまま、ありのままの自分を認めず、ありのままの欲求を封じ込めながら生きていくべきなのでしょうか?

 

ありのままの自分を認め、良い悪い含めて正直な気持ちで人と関わり合いながら、温かく豊かな人生を歩んでいって欲しいと、少なくとも私はその様に考えます。

さあ性教育を始めよう

 

これまでこのコラムでは、性教育の必要性、性教育はどのようにしていくのが良いのか、子どもたちの性の安全をどう守るのか、自分の体を大切にすること、これから具体的にどのようなことが待ち受けているのかなどについて、お話してきました。

性教育は人々が自分と人とのありのままの姿を認め、思いやりあいながら、豊かな人生を送るために欠かすことのできない学びでしょう。

これまで馴染みのなかった話かもしれませんし、わからないこともまだまだあるかもしれません。

それでももし性教育の必要を感じたならば、その時がきっとタイミングです。

まずはご自身から、そしてお子さんがいらっしゃる方はお子さんと一緒に、小さなことからでいいのでぜひ興味を持って目を向けてみてくださいね。

 

これまでお付き合いいただきありがとうございました。

著者プロフィール

柏木春香(かしわぎはるか)

AMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト

福岡生まれ。産後の不調を機に漢方やハーブの素晴らしさを知り、植物療法の世界に入る。現在は植物療法コンサルテーションやハーブのブレンドを行うかたわら、SNSを通じて植物療法のこと、健康やセクシュアリティの大切さを伝えている。instagram:mul.phyto

 

 

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